SSブログ

『Mr.インクレディブル』 [Cinema]

※映画の感想・評論(もどき)の文章では基本的にストーリーに触れる部分があるため未見の方はご注意を。

2004年アメリカ映画
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ提供/ピクサー・アニメーション・スタジオ・フィルム
監督・脚本:ブラッド・バード
製作:ジョン・ウォーカー
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:マイケル・ジアッチーノ
声の出演:クレイグ・T・ネルソン/ホリーハンター/サミュエル・L.ジャクソン
評価:★★★★★

本日公開の話題作品。近くのシネコンに行ったのだが、さぞや混雑しているかと思いきや、意外なことにそれ程でもなかった。恐らく3スクリーンで上映していることと、見たのが字幕版だからであろうと思う。

Mr.インクレディブル

Mr.インクレディブル

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • メディア: DVD

まず見終わっての率直な感想は、とにかく面白かったの一言。
これまでのピクサー作品はやはりディズニーとの連携の中で、かなりディズニーチックといえる部分もあったと思うが、この作品はアメリカでのレイティングがPGとなっているように、若干今までとは異なる印象を受けた。

登場人物が死んでしまうというのがまず衝撃。しかも昔ヒーローだった仲間を敵役が殺していたとか、その敵も改心せずに最後は死んでしまうのだから、実写のアクション映画なら当然の表現かもしれないが、ピクサー/ディズニー印の作品では意外を通り越して驚きでもあった。

ただし、それがあまりマイナス表現にはなっておらず、日本のアニメーションほど過激でもないので、子供の鑑賞についてもそれ程問題にはならないだろう。むしろ子供にとっては、かなり教訓的なエピソードが入っていて、自分の力をどういう場で発揮し力をコントロールするのか、またその力を持った自分自身をいかに信じて自信を持って行動できるか…など、成長につれて何となく悩んだりくよくよしたりすることについてある種の回答を見せてくれてもいるので、アクションや笑いの表現、そしてヒーローの活躍でスカッと楽しませてくれるだけではないものを与えられるのかな、と思う。

同時に昨今失われつつある親の尊厳というか、親は常に子供にとって模範でありヒーローであるということも表現され、家族の大切さや、周りの人に対する優しさなど、当たり前のように大事なことを声高にではないけれど、サラッと話の中に盛り込んでもいるところはやはりピクサー/ディスニー作品らしいものとなっている。

これではなんだか若干のバイオレンスはありつつも普段のディズニー作品と同じではないかと思ってしまうかもしれないがさにあらず、細かいところでかなりマニアックな過去の映画の引用と思える部分もあって、そうした部分はむしろ大人向けと言えようか。

一番は『007』シリーズであろう。シンドロームのアジトとなっている孤島とそこでの秘密基地っぷりは、初期の『007』を彷彿とさせ、さらに捕まったインクレディブルを敵の部下であるミラージュが助けてしまうなどというエピソードなどもまさにそうだ。そして撃墜された母子3人が島に向かって進む場面では、ジェットスキーで敵のアジトに乗り込むジェームズ・ボンドよろしくBGMまでそれっぽくて、思わず笑いがこみ上げてしまった。

3Dアニメーションでの人間の表現は未だに難しく、あまりにリアルだとまだ気持ちが悪く感じられるような場合もあるだろう。しかしこの作品ではあえて漫画的な表現にし、魅力あるキャラクターを造形することで、そうした違和感は感じさせずに、3Dアニメであるかどうかはもはや関係なく、ひとつのアニメーション作品として話の中にのめり込んで登場人物に共感できて、と楽しむことができたのではないかと思う。

音楽も非常によかった。サウンドトラックはぜひ購入して聴いてみたい。

Mr.インクレディブル オリジナル・サウンドトラック

Mr.インクレディブル オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
  • 発売日: 2004/12/01
  • メディア: CD

今日見に行ったシネコンのT・ジョイ大泉では、日本語吹き替え版ではDLPでの上映をしている。日本語版の評判もなかなかだと聞くので、綺麗な映像を画面に集中して見ることができるのなら、もう一度今度はDLPで見てみたいと思う。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

タバコのこと(追記)改築予定 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。