SSブログ

『魔法にかけられて』 [Cinema]

※映画の感想・評論(もどき)の文章では基本的にストーリーに触れる部分があるため未見の方はご注意を。

2007年アメリカ
監督:ケヴィン・リマ
音楽:アラン・メンケン/スティーヴン・シュワルツ
出演:エイミー・アダムス/パトリック・デンプシー/ジェームズ・マースデン/ティモシー・スポール/レイチェル・コーヴェイ/スーザン・サランドン/ジュリー・アンドリュース
評価:★★★★★

この作品の話題について初めて目にしたのはいつだったろうか。おもしろそうだと感じながらも、さて、ディズニーが本丸である自らのアイデンティティとでも言えるプリンス・プリンセスのおとぎ話を現代社会と絡めて描くとなれば、どうしたってそのおとぎ話から現れてきた登場人物は奇異な目で見られるしかないし、その純朴な振る舞いが茶化されてしまって、セルフパロディとしてもそこまでやったらもうおしまいなのではないか…と心配になったのだった。

おりしも従来の2次元アニメ(セルアニメ手法のもの)の制作部門がなくなり、3D部門にしても吸収したピクサーの手を借りてやっと存続しているようなアニメ制作部隊の現状を考えると、後戻りできないところに踏み込んでしまったのではないだろうかと心配になってしまったのだ。

しかしアメリカで公開されるやいなや評価も悪くなく、売り上げも順調と聞くと、その心配も杞憂だったかなと思うようになった。それでも予告編を見ると、まだななとなく心配な気持ちは完全には払拭できなかったけれど。

そうして心配していた作品をやっと見た訳なのだが、いやこれはかなりおもしろい作品であった。

冒頭のアニメーションシークエンスも良くできていて、これまで見慣れたディズニークラシック作品のイメージのままで、まずはそこから作品世界に自然に引き込まれていくのだ。久々登場のアラン・メンケンが手がけた音楽も耳に心地よく、とても素晴らしい。

その後ニューヨークの場面に話が進むと、しばらくは懸念されていたちょっと「痛い」感じの場面が続き、少しハラハラもするのだが、翌朝の部屋掃除のミュージカルシーンから、無邪気なプリンセスのジゼルの振る舞いにも助けられ、楽しさが増してくる。そして、そのピークはセントラルパークでの「That's How You Know」を歌うシーンだ。ここではセントラルパークがまるでディズニーランドにでもなったかのように、まさに“魔法にかけられた”状態になっていて、見ている方もなんだか楽しい気分になってくるのだ。

作品全体を通してみると、確かにおとぎ話はおとぎ話として、現実とは違うという面を明示して、そこを少なからず茶化すような場面もなくはないのだが、現時社会の中で「夢と魔法」のおとぎ話はあくまでお話の中と単純に割り切らず、リアルな現実社会にもすっと入り込んできてとけ込んでくるというディズニーマジックが展開し、ディズニーランドで遊んだ後のように、見終わって幸せな気持ちで満たされるのだ。

登場人物みんなが魔法にかけられた状態で、最後は収まるところに収まってハッピーエンディング。何度見ても楽しめそうなそんな作品だった。
 
魔法にかけられて オリジナル・サウンドトラック

魔法にかけられて オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,ジェームズ・マースデン,木村聡子,小西のりゆき,エイミー・アダムス,ジョン・マクラフリン,キャリー・アンダーウッド,畠中洋,小森創介,ミュージック クリエイション,MCキッズ
  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • 発売日: 2008/03/05
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。