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「アオイホノオ」 [Comic / Animation]

小学館が「サンデー」の月刊誌を創刊した。通称「ゲッサン」である。雑誌不況で週刊漫画雑誌の発行部数も頭打ちという話を耳にする中での新創刊というのはある意味でかなりの冒険ではある。

ゲッサン 2009年 06月号 [雑誌]

ゲッサン 2009年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/05/12
  • メディア: 雑誌


その中に島本和彦の「アオイホノオ」という作品が掲載されている。「アオイホノオ」はもともとは「ヤングサンデー」などに不定期に掲載されていたもので、既に単行本の1巻が発売になっている。そして今回、第2巻の発売と同時に掲載誌を移しての新雑誌での連載開始ということになったようだ。

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/05/11
  • メディア: コミック


その不定期連載中のことは全く知らない。というのも個人的に漫画は読むのだけれど漫画雑誌はもう滅多なことでは買わないので、実は「アオイホノオ」の存在を知ったのはその1巻が店頭に並んでいるのを知ってからなのだ。

読んでビックリ。これは確かに島本和彦の代表作となる作品ではないかと思った。けれどあまりにニッチな要素が多すぎて、決して万人向けではないだろうなという思いもある。ただ、島本和彦ってもともとそういう知っている人が見たらおもわずニヤッとしてしまうというようなギャグで笑わせてきた作家ではなかったか。

島本和彦といえば世に知られているのはやっぱり映画にもなったから「逆境ナイン」なんだろう。これは題材も野球で、しかも熱血漫画だからある種“行き過ぎたスポ根”とも言え、まあまあ広い読者層にも受け入れやすい作品であったということなのかもしれない。

けれど個人的に島本和彦を強く意識して読みまくったのはデビュー間もない頃の「風の戦士ダン」と「炎の転校生」だ。この両作のテンションの異常な高さは言葉に表すのは非常に難しい。当時高校生だったから、こういうなんだかわからない理屈じゃないハイテンションの漫画に何か強く感化されるものがあったのだろう。とにかくその新しい笑いに夢中になった記憶がある。

炎の転校生 1 (少年サンデーコミックス)

炎の転校生 1 (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000
  • メディア: 新書


ところが以後、その笑いのテンションの方向が少し空回りしたり、笑いのないストーリー漫画を描いたり、連載しても短期で終わったり、恐らく本人も次なる方向性を探っていたのであろう。でもその頃の作品についていけない自分もあってあまり新作を読まなくなっていたのだ。そんな時に読んだ「逆境ナイン」はしばらくぶりに面白いと思ったけれど、単行本は途中で買うのを中断。最後まで読んでないのだ。

そしてまただいぶ月日が経って久しぶりに手にしたのが「アオイホノオ」。これは面白い。著者本人の大学時代の自伝的作品なのだが、漫画やアニメの読者や視聴者の無責任な批評や感想がそのまま描かれていて、それっていわば先輩作家に対して失礼な言動をすることにもなるのだが、それをそのまま掲載している気持ちの良さ。ああ確かにこんな話を仲間同士でしていたっけと共感する話がてんこ盛りなのである。

発売された第2巻も面白かった。アニメ映画のドラマ編聴いたよ。聴きながら目をつぶって場面を思い返した。そんな自分をある種投影させてしまう魔のような魅力がこの作品にはある。「お前は俺か?」…まさにそんな感じ。

続きを早く読みたいな。



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