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Audi TT Coupé 2.0 TFSI 12ヶ月点検とAudi A5 3.2 FSI quattro試乗[その1] [Car]

去年、A3の1年点検時に代車としてTT Roadstarをお借りしたのが運命となり、その2ヶ月後にはTT Coupéに乗り換えてもう1年。早いものである。法定12ヶ月点検がやってきた。今回は車はひと晩預けることなく朝から夕方で点検は終わるという。まあ内容からすればそうだろう。

で、事前に予約していた朝一番にディーラーへと向かう。終了予定は17時。それまでの間、デモカーをお貸しいただけることとなった。その車は…
 
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A5 3.2 FSI quattro。色はアイビスホワイト。アウディドライブセレクトのオプション付きである。

去年のA3の点検の時はTT Roadstarのインプレッション記事にも書いたけれど、A3のアトラクションとかA4とかかなあと思っていたらTTだったのでビックリしたわけなのだが、今回は結果としてリクエストするような形になってしまったのだった。というのも、先日ディーラーにおじゃました際に、A5の試乗車あったら乗せてもらおうかと思ったのだけど…という話をしたら、その日は難しいけれど点検の時にどうですか、という話を担当セールスの方よりいただいたからなのだ。

自分としてはそういうつもりは特になく、その日に試乗コースをひとまわりできれば良かったのだが、そのお申し出をありがたくお受けして、今日、半日お借りしてその走りを堪能させていただいた。

まずは外観から見ていこう。

A5のシングルフレームグリルは光沢塗装されたものだ。実車を見てないけれど先日追加された2.0 TFSI quattroは、未塗装のマットな樹脂である。
 
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光沢のある方が高級感が出ていると一見思いがちだし、恐らくそういう理由で採用されているのだとは思うのだが、個人的にはむしろ逆で、このツヤツヤした塗装が硬質なプラスチックな感じを強調して見え、却って安っぽく見えてしまうのだ。バキッとすぐ割れちゃいそうな感じのプラスチックのイメージだ。だからここは未塗装の樹脂の方がむしろソフトな感じにも見え、安っぽさを感じさせないでいいと思うのだが、これはかなりな少数意見なのだろうか。でもこれも先日発売されたS4では未塗装のグリルだよね。高い車なのに。スポーティな車種はまた別なのだろうか。

先日、A4 Avantに試乗した時も思ったけれど、サイドミラーはそのA4と同じように縦方向にかなり大きめでとても見やすい。大きいからといってデザイン的に問題があるわけでもなく、安全面を考えたらこの大きさはプラスであろう。
 
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タイヤは標準のもの。245/40R18。かなりの幅広扁平である。タイヤのブランドはブリヂストンのポテンザRE050。このホイールは格好いいな。

格好いいといえばやはりA5はサイドからの眺めだろう。
 
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なぜか写真などで見ると結構ボディ後方にぼってりした重みを感じることがあるのだが、実車を見るとそれほどでもないのが不思議だ。ポイントとなっているホイールアーチ上方のなだらかなふたつの曲線を結ぶプレスラインがとてもエレガント。このあたりはA4のスパッと切れ味鋭い感じのプレスラインとは趣が異なり、車の性格をうまく表しているようにも思える。でもよく見るとやっぱりフューエルリッドのあたりから真下のホイールアーチまでの厚みがやや大きく、フロントに比べてリアオーバーハングが長めに見えることもボディ後方の重さを感じさせる一要因なのかなあとも思えるが、気にしてあえて理由を探せば…という程度かな。

さて、インテリア。まずはリアシート。TTと比べちゃいけないのだが、しっかりした空間がある。大人2名がちゃんと座れるシートだ。自分のドライビングポジションは、腕を伸ばして運転するのがイヤなのと脚が短いのでシートは結構前の方かもしれないが、そのシート位置でドライバーズシートの後ろに腰を深くかけて座った時の膝の位置は下の写真のような感じ。
 
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かなり余裕がある。でもこれだと座高が高い自分では頭が天井につかえてしまう。頭をぶつけないように浅く座ると膝がシートバックに触れるくらいになってしまう。けれど狭いという程ではない。これは先日試乗したフォルクスワーゲンのシロッコと比較しても(サイズが違うのだから当然だが)とても快適。窓も大きく開放的で狭いところに押し込まれたような印象もなく、膝を抱えるような着座姿勢にもならないのでこれなら長時間のドライブも大丈夫だろう。

リアシートの左右ドア近くの足元付近にぽっかり丸い穴が空いていてドリンクホルダーになっている。これはスペースの有効的な使い方としては理にかなっていそうだが、低い位置だし出入りする場所だから汚れやすいだろうと思う。飲み物を置く場所としてもあまり衛生的とも思えない。リヤシートは2人乗車と割り切っているのだから、普通にセンターアームレストのところにホルダーを付ければ良かったのではないだろうか。それとも気付かなかったけど、センターアームレストにも引き出し式のドリンクホルダー付いているのかな。

インパネは基本的にA4と共通。ただしA4にあるグローブボックス上の木目やアルミのデコラティブパネルはない。そのせいかかなりスッキリ見えるしスポーティな印象も受ける。MMIも含めてボタンが多いような印象はあるのだが、オーディオやエアコンなどはそれほど悩まず使えるので操作ロジックが気になるということはない。ナビは今時DVDナビである。地図を見ている限りは不満はなく、過不足無しという感じ。けれど地図のグラフィックがもう一つ見にくい。解像度の低い液晶のせいか、あるいはDVDでデータ量を抑えているからか、そうとうジャギーのある道路と文字フォントで、決してパッと見た視認性がいいわけではない。またこれもやはりDVDのせいかもしれないが、走行中の描画が遅め。どうしてもカクカクした動きで移動したり角度が変わったりするので視界の中でやや気になる。ただ、そのように視界の中で気になるということは、モニターが置かれている位置としては申し分ないということでもある。TTの場合はナビのモニターは位置が低いのでどうしても目線をおろす必要があり走行中のチラ見も危険であるが、このA5の位置ならまあ現在ではどの車も標準的な場所なんだけど、安全面でも問題ないだろう。ステアリングもパンチング加工されていて握りやすくマル。ステアリングのマルチファンクションスイッチはかなり便利。特に単純なオーディオのボリューム調整がサッとできるのは、これも目線移動しなくて済むので安全面でも有利だろう。
 
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上の写真で上段のクローズアップにしたところは、前からこのブログでもことあるごとに書いているインパネの気になるシルバー塗装のプラスチックパネルだ。しかもこのドア付近のカーブのところには必ずスキマがあるのだ。A4の展示車でもカタログの写真でもスキマがあるので、これはもうそういう仕様なのだろう。けれどシルバーと黒の境界なのでそのスキマが目立ち、シルバーパネルのややチープな印象と相まってあまり好印象を受けないのだ。

コストを考えればこの広い面積を本アルミパネルにするわけにもいかないだろう。それにドライバーの視野の中にキラキラ光る金属パーツが増えるのも決して良くはないだろう。ただ今回数時間試乗して運転席に座っていると、思っていた程気にならなくなってきたのは意外ではあるが嘘でもない。でも単に見慣れてきただけかもしれないし、初見での「なんだこれ」という印象がそのことで覆るわけでもないので、やっぱりここはいつかどうにかして欲しいなあと思うところだ。A6でスタートしてその後Q7、A5、A4で採用されてきたこの意匠もQ5ではなぜか使われなかったので、今後のニューモデルがどうなっていくのかが気になるところだ。

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エンジンルームはさすがV6 3.2Lである。スキマがない。2.0 TFSIのTTとは違うね。この前試乗したA4 Avantは2.0 TFSIだったのだけど、あれはかなり軽快な印象があった。この3.2 FSIのA5はフロントヘビーな走りなのか…。それについては後述したい。

トランクルームは奥行きがあってクーペとしては問題ない広さではないだろうか。トランクスルーにもなるので長尺ものも大丈夫だし。実用面で困ることはあまりないだろうなと思う。ただ、4人乗車で4人の荷物が積めるのかといえばどうだろうか。でもそれってA4セダンでも同じかなあ。そういう場合はAvantじゃないと難しいのかも。

さて、ディーラーを出てからまずは環八、青梅街道と日常走る道路を走行してみた。環八はかなり渋滞していた。トランスミッションがSトロニックではなくトルコンATなのでクリープもそれなりにあり、渋滞時の細かいストップアンドゴーはそれほど苦にならない。ただし走り出して最初に気になったのはステアリングがやたらとクイックなこと。オプション装着のアウディドライブセレクトはコンフォートになっているにも関わらずステアリングの反応がシビアなのでちょっと驚き。エアコンを操作しようと片手でステアリングを握った際に、少し力加減が変わってステアリングをちょっぴり動かしてしまい車がすぐに回頭したのであやうく蛇行運転になるところだった。これはもう少し遊びがあってもいいのではないだろうか。それともこれって装着しているタイヤの太さも影響しているのだろうか。でも太さでいえばTTと同じなんだけど、扁平率の違いもあって結構ゴロゴロと堅く感じるし、スポーティな車とはいえもう少し大人の味付けがあってもいいかな。

アウディドライブセレクトは街中ではコンフォートで十分な気がした。けれどA4 Avantの時に感じたような滑らかな足というよりは、なんとなく落ち着かない感じも正直受けた。特に一般道は路面がどうしても左右で平らにはならないので右が上がって左が上がって…というような左右の突き上げによるうねりのようなものが少し感じられた。その点ではダイナミックの方がゴロゴロするんだけど揺れが少ないせいでそのうねりがなく安定しているような気もする。けれどこれが長時間だとちょっと疲れそう。シフトも1段低くなるので(通常のSモードと同様のシフト設定)燃費にも良くないしエンジン音も高くなりがち。インディビジュアルで細かく好みの設定すればいいのかも。

ひとまず自宅についていろいろ写真を撮って、自宅の駐車スペースに入れてみた。
 
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TTと比べると大きいけどそんなに問題ない大きさかな。ただ家の前の道路が狭いので出し入れは少し気遣うかも。最小回転半径がTT5.2mでA5が5.4m。20cmの差は大きいのかな。Q5も5.4mだね。

このあと高速を使って少し長い距離を走ってきたのだが、その時の感想はここへの追記ではなく別の記事に新たに書こうと思う。

ひとまずここではこれにて…。

[その2]へつづく。



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u4

気合の入った試乗レポート。
続きを楽しみにしています。
by u4 (2009-06-22 21:49) 

MK

続きの試乗記はここに追加していくと更新したかどうかがわかりにくくなりそうなので、新しい記事として書こうと思います。
by MK (2009-06-23 01:03) 

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