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メアリー・ブレア展 [Comic / Animation]

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訃報:スペシャルアニメーター 金田伊功死去 [Comic / Animation]

非常に残念なニュース。

金田伊功氏死去 アニメーター

ご本人がキャラクターデザインや作画監督を主にしていたわけでもないので現在ではあまり表だって名前は知られていないかもしれないが、『宇宙戦艦ヤマト』に始まるアニメブームの中で独特の動きやキャラクターのパースの付いた勢いのある絵を描き、新機軸を打ち出し後に多大なる影響を与えたアニメーターが金田伊功(かなだよしのり)なのである。

当時のアニメファンなら恐らくその名前を知らない人はいないだろうというくらい有名なはずだ。あるいはその名前は知らなかったとしても、その作風に触れてないということはないだろうと思う。

よく知られた有名なところでは劇場版『銀河鉄道999』のラストの惑星メーテル崩壊のシークエンスでの爆発の煙の表現や足元が崩れて奈落に落ちそうになるメーテルを助ける鉄郎の場面がそうだし、続編の『さよなら銀河鉄道999』の同じくラストに出てくる女王プロメシュームのイメージ映像もそうだ。また『幻魔大戦』ではスタッフとしてのその肩書きが“スペシャルアニメーター”となっていて、超能力によるオーラの表現だったり炎の龍の動きを一手に引き受けて見事な迫力ある終盤の戦闘シーンを描き出したのだった。

その後ジブリ作品でも『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』でも独特のスピード感ある表現を生み出し、ベテラン宮崎駿監督からも信頼されていたというのがわかる。

劇場作品だけでなくテレビで印象的なのはオープニング映像やロボットアニメの戦闘シーンなどであろうか。特に「銀河旋風ブライガー」のオープニングは素晴らしく、先日このブログ記事でも紹介した島本和彦の「アオイホノオ」でもそのことに触れていた。また79年放送開始の「サイボーグ009」でのオープニングも印象に残っている。

日本のアニメ界は良くも悪くも手塚治虫がはじめた「鉄腕アトム」での製作体制を引きずっている。それは週1本新作を製作するために極力描く枚数を減らしていこうというものだ。そのため1枚の絵を3コマ撮影するという3コマ撮りが主流となり、1秒8枚の絵でものを動かしていくという方法で、通常そのままではやや動きがギクシャクしたものとなってしまう。だからそれを感じさせないために動く部分に効果線を入れて速い動きを印象づけたり、止まってしゃべっている時は顔の絵は一切動かさず瞬きと唇しか動かさないなどの様々な工夫が生まれてきたのだ。

そんな中でアクションの動きを迫力あるものにするために生まれた手法が金田伊功の光や煙の表現であったのだろうと思う。また人物やロボットの激しいアクションを伴った動きでも、極端なパースを付けた絵にしたり、動きに入る前に一瞬のタメを作ったりして、独自の緩急を付けることで、コマが少なくてもあれよあれよという間の目にもとまらぬ派手なアクションがその場で展開しているかのような映像が表現できたのだと思う。

ただ煙やメカならまだいいが、時にキャラクターについては明らかにキャラクターデザイン画とは絵のタッチが違うとわかる時があり、そこが気になるといえば気になるとも言えるのだが、決して下手な絵ではないので動きの流れの中で見きれてしまうということはあったかな。

オリジナルの作品で「バース」という作品があり、これはもともと80年代に宮崎駿が「ナウシカ」を描いたり、安彦良和が「アリオン」を描いたりするなど、アニメーターが漫画を描くという風潮ができてきた中で金田伊功が漫画として描いた作品がもととなっているオリジナルアニメだ。実はこの原作の漫画の1巻だけを今でも持っている。なぜ1巻だけかというと、興味があって買ったものの実はあんまり面白くなかったのと、絵が鉛筆で描いたであろう原稿をコピーしてそれにべた塗りやスクリーントーンを貼ったというような、結構整理されてない粗い絵で、読みにくかったというのがその要因なのだが、引っ張り出して改めてみてみたところ、やっぱりアニメーターだけあって、一コマ一コマが動きを感じさせるアニメの原画のような絵で、漫画としては読みにくくても、絵のすごさはあったのだなあと感じいってしまった。

しかし57歳。まだまだ活躍できる若さでの死去は本当に残念である。その気持ちは同じ業界で働く仲間達に衝撃となって伝わっているのだろう。お別れの会が来月30日に行われるそうだが、その発起人の方々の名前がものすごく、日本のアニメを背負って立つ第一人者の方達がずらっと並んでいるのだ。

金田伊功を送る会

その功績がどれほどのものであったかという証なのだろうと思う。

ご冥福をお祈りします。



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「アオイホノオ」 [Comic / Animation]

小学館が「サンデー」の月刊誌を創刊した。通称「ゲッサン」である。雑誌不況で週刊漫画雑誌の発行部数も頭打ちという話を耳にする中での新創刊というのはある意味でかなりの冒険ではある。

ゲッサン 2009年 06月号 [雑誌]

ゲッサン 2009年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/05/12
  • メディア: 雑誌


その中に島本和彦の「アオイホノオ」という作品が掲載されている。「アオイホノオ」はもともとは「ヤングサンデー」などに不定期に掲載されていたもので、既に単行本の1巻が発売になっている。そして今回、第2巻の発売と同時に掲載誌を移しての新雑誌での連載開始ということになったようだ。

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ 2 (少年サンデーコミックススペシャル)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/05/11
  • メディア: コミック


その不定期連載中のことは全く知らない。というのも個人的に漫画は読むのだけれど漫画雑誌はもう滅多なことでは買わないので、実は「アオイホノオ」の存在を知ったのはその1巻が店頭に並んでいるのを知ってからなのだ。

読んでビックリ。これは確かに島本和彦の代表作となる作品ではないかと思った。けれどあまりにニッチな要素が多すぎて、決して万人向けではないだろうなという思いもある。ただ、島本和彦ってもともとそういう知っている人が見たらおもわずニヤッとしてしまうというようなギャグで笑わせてきた作家ではなかったか。

島本和彦といえば世に知られているのはやっぱり映画にもなったから「逆境ナイン」なんだろう。これは題材も野球で、しかも熱血漫画だからある種“行き過ぎたスポ根”とも言え、まあまあ広い読者層にも受け入れやすい作品であったということなのかもしれない。

けれど個人的に島本和彦を強く意識して読みまくったのはデビュー間もない頃の「風の戦士ダン」と「炎の転校生」だ。この両作のテンションの異常な高さは言葉に表すのは非常に難しい。当時高校生だったから、こういうなんだかわからない理屈じゃないハイテンションの漫画に何か強く感化されるものがあったのだろう。とにかくその新しい笑いに夢中になった記憶がある。

炎の転校生 1 (少年サンデーコミックス)

炎の転校生 1 (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000
  • メディア: 新書


ところが以後、その笑いのテンションの方向が少し空回りしたり、笑いのないストーリー漫画を描いたり、連載しても短期で終わったり、恐らく本人も次なる方向性を探っていたのであろう。でもその頃の作品についていけない自分もあってあまり新作を読まなくなっていたのだ。そんな時に読んだ「逆境ナイン」はしばらくぶりに面白いと思ったけれど、単行本は途中で買うのを中断。最後まで読んでないのだ。

そしてまただいぶ月日が経って久しぶりに手にしたのが「アオイホノオ」。これは面白い。著者本人の大学時代の自伝的作品なのだが、漫画やアニメの読者や視聴者の無責任な批評や感想がそのまま描かれていて、それっていわば先輩作家に対して失礼な言動をすることにもなるのだが、それをそのまま掲載している気持ちの良さ。ああ確かにこんな話を仲間同士でしていたっけと共感する話がてんこ盛りなのである。

発売された第2巻も面白かった。アニメ映画のドラマ編聴いたよ。聴きながら目をつぶって場面を思い返した。そんな自分をある種投影させてしまう魔のような魅力がこの作品にはある。「お前は俺か?」…まさにそんな感じ。

続きを早く読みたいな。



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男鹿和雄展 [Comic / Animation]

ジブリの絵職人(どうもこのいい方がピンとこないのだけど)男鹿和雄のアニメーション背景原画を中心にした展覧会が東京都現代美術館で開催中ということで見に行ってきた。

昨年の「The Art of Disney: ディスニー・アート展」同様に、テレビ局をはじめメディアがかなりプッシュしている企画展なので異常に混んでいるという噂は耳にしていたが、背景原画を直接見る機会ってあるようでないので、これは見ないわけにはいかないだろうという思いで出かけたのだった。

男鹿和雄という名前を知ったのは『幻魔大戦』の時だ。当時発売されていた角川書店の雑誌「バラエティ」の別冊で初の角川アニメの特集号が発行され、その中の記事を読んでのことだった。美術監督の椋尾篁は劇場版『銀河鉄道999』の美術担当で名前を知っていたけれど、男鹿和雄という名前はたぶんその時はじめて目にしたと思う。

『幻魔大戦』でのリアルな町並みなどの絵は、どの絵を誰が描いているのかはわからなかったけれど、椋尾篁の背景美術の美しさは『母をたずねて三千里』や「999」、『セロ弾きのゴーシュ』で知っていたので、それに匹敵するものだというのはその時わかったのだった。

そしてその名前はその後ジブリ作品の中で見るようになり、その代表作は美術監督を務めた『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』ということになるのだろう。もちろん『となりのトトロ』でも森の木々の表現などでもその実力を遺憾なく発揮している。

今回の展覧会では、それらの多くが展示され、その圧倒的な画力にただただ呆然とするばかりだった。「ディズニー・アート展」でもそうだったけれど、アニメーションで使用される絵ってそんなに大きいものでは決してない。いわゆる油絵などでは画集でものすごく細密な風景画だなあと思っていたものが、実物を見ると畳より大きなキャンバスに描かれていて、細かい部分もそれほどでもなかったということは往々にしてあるのだけれど、アニメの背景画はせいぜいB4版程度の大きさだ。そこに描かれた風景の細かさは本当に尋常ではない。またそれが細かいだけでなく、ものすごくリアルな描写なのだ。

印象的なのは木々の緑もそうだけれど、夕景の橙色が普通の顔料なのに光って見えるところだ。本当に美しい。

とにかくじっと見とれてしまうその時間を十分に堪能したひとときであった。




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「キャラ者」 [Comic / Animation]

伝説の漫画家と呼ばれて久しい江口寿史の最新刊「キャラ者」の第3巻が発売され、それを記念したサイン会が江口寿史にとってのホームグラウンドである吉祥寺のパルコで催されたので行ってきた。

「キャラ者」3巻の発売については知っていたけれど買っておかなくてよかった。というか忙しくて買えなかったのだけど…。でもこういうサイン会って著作本購入者限定だからね。4時から開催の1時間半程前に到着してとりあえず新装なった1、2巻と合わせて3冊購入して整理券をもらう。先着200名となっていたが整理番号は71番。どうなのかなあ…この時点でこの数字って人気があるのかないのか…。半分近くにはなっているのだからまあまあなのかも。でもまあ爆発的人気があったのは「ストップ!!ひばりくん!」の頃だからなあ。80年代前半だよね。20年も前だよ。その後ちゃんとした連載漫画がないんだからこれでも凄いことなのかもね。

さて3冊同時購入者にはおまけが付いていた。A4のポスターと呼ぶには小さいチラシのようなオリジナルイラストとポストカードセットだ。
 

 
開始時間まで少し間があったので吉祥寺をうろついて15分前くらいに戻る。店内放送でも告知をしていたせいか徐々に列が伸びていく。そしていよいよ開始。ちょっと緊張する。なにせ「すすめ!!パイレーツ」をジャンプに連載中に読んでいてファンになったくらいで、本人を目の前にするのははじめてなものだからね。

ひとりひとりに筆ペンでイラストとサインを描いている。全部同じ絵かどうか前の人に何を描いていたか見えなかったのでわからないが、自分のは「キャラ者」の死神博士だった。かなりの大作で驚き。(名前も書いてもらったけど写真では消してます)
 

 
で、肝心の「キャラ者」。1、2巻は既に持っていたけれど、今回の装丁があんまり素晴らしいので買い直してしまった。思う壺だといえばそれまでだけれど、ま、いいか。でもとにかく表紙カバーも凝っていて眺めていて飽きない。個人的には1巻がいいかな。

内容も相変わらず面白く冴えている。既に読んだものでも笑えるし、絵は当然うまいし、もっともっと頑張って描いて欲しいなあ。

ひとまず近々短編集(また過去の作品の寄せ集めなんだろうけど)「江口寿史のお蔵出し 夜用スーパー」というのも発売されるようだし、描く気力はあるみたいだから、ここまできたらとことん付き合うしかないなと思う。
 

キャラ者 3 (3) (アクションコミックス)

キャラ者 3 (3) (アクションコミックス)

  • 作者: 江口 寿史
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2007/07/17
  • メディア: コミック


 

キャラ者 2 新装版 (2) (アクションコミックス)

キャラ者 2 新装版 (2) (アクションコミックス)

  • 作者: 江口 寿史
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2007/07/17
  • メディア: コミック


 

キャラ者 1 新装版 (1) (アクションコミックス)

キャラ者 1 新装版 (1) (アクションコミックス)

  • 作者: 江口 寿史
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2007/07/17
  • メディア: コミック


 

ストップ!!ひばりくん! (1) (ホーム社漫画文庫)

ストップ!!ひばりくん! (1) (ホーム社漫画文庫)

  • 作者: 江口 寿史
  • 出版社/メーカー: ホーム社
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: 文庫

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やっと終わった「1ポンドの福音」 [Comic / Animation]

フラッと立ち寄った書店で高橋留美子の「1ポンドの福音」の4巻を発見。早速購入した。
 

1ポンドの福音 Vol.4 (4)

1ポンドの福音 Vol.4 (4)

  • 作者: 高橋 留美子
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/03/05
  • メディア: コミック


 
最初の発売されたのは一体いつだったのか。基本的に漫画雑誌は購入せず、単行本しか買わないので、どのような形で連載が進んでいるのかわからないのだ。調べたらもともと不定期連載だったみたいだ。

高橋留美子の漫画は、サンデーに連載されたものは、かなり長編になり、しかもドタバタコメディーであることが多く、はまれば面白いのだろうが、だんだんそろそろストーリーを収束してもいいんじゃなかろうかと思い始めてきて途中で飽きてしまうのであまり好きではなく、やはりなんといっても「めぞん一刻」のように主筋の明確な中にギャグが盛り込まれた物語の方が面白いと思うのだ。

で、この「1ポンドの福音」は「めぞん一刻」の跡を継ぐ漫画になると当時期待していたのだけれど、どうも徐々に物語が進むにつれていろいろと気になる部分が出てきたような気がするのだ。まずシスターの存在。本当の修道女がどのような修行をして、かつ世間と接触を持つのかわからないが、かなり曖昧な描き方をしていて、たぶんこうじゃなかろうかというイメージの世界のような印象さえ受けるのだ。

そして肝心のボクシングについてもそうで、いわゆるボクシング漫画で描かれているようなステレオタイプのボクシングジムとコーチという世界から離れることはなく、ベースとなる舞台設定にリアリティがなく、いくら何でもあんまりだなという部分が多いのだ。確かにギャグマンガなんだからリアリティは不要かもしれないけれど、基本が本物の上にギャグを乗せるからこそ面白いのであって、そうでないなら全く架空世界のお話しになってしまうのではないだろうか。ストーリー運びのアプローチにも若干の古さを感じるし、3巻まで進んだところで既に少々の期待はずれを感じていたものだった。

それでもまだ一縷の望みというか、何か引き込まれる展開になっていくのではないかという淡い期待をしていたのだけれど、続きが出ないまま月日だけが経っていってしまったのである。

そんな状態でずっと放置された作品の新巻だ。当初持っていた一応の期待を持ちながらページを開いたら、あまりの絵の違いに愕然。「犬夜叉」など最近の高橋留美子作品を見ていなかったから知らなかったが、いったいいつからこんなに絵が下手になったのか。いや、もともとそれほどピシッとした線の絵を描く作家ではなかったし、デッサンもものすごく乗ずという感じではなかったと思うが、もう少しメリハリのある線で表情豊かなキャラクターを描いていて、物語にのめり込ませる力を持っていたと思うのだけれど、コレは本当にショックだった。

ストーリーも何とか単行本1冊で完結させようという筋運びだけが先に立ってしまい、引き込む程のものでもないし驚きもない。

長く待った作品だっただけにちょっと残念だった。


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安彦良和原画展 [Comic / Animation]

現在、八王子市夢美術館で「安彦良和原画展」が開催されている(2006年9月18日まで)。

あの、安彦良和の原画だ。だいぶ前に『機動戦士ガンダム』の記事で、その絵にどれだけ惚れ込んでいるか書いた、あの安彦良和。そうそう目にできる機会もあるまい。これは行くしかないだろう、ということで出かけていった。

ある時代にアニメにはまっていた世代には、安彦良和が手がけたアニメ作品に出会っていないものはいないだろう。展示作品も『わんぱく大昔クムクム』に始まり、漫画作品最新作の『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』まで、手がけた多くの作品を展示。正直これほどの規模の展示会とは思わなかったので驚きであった。

アニメ時代のものでは前述の『クムクム』、『コン・バトラーV』、『ライディーン』、『ザンボット3』に『ガンダム』。そして漫画・アニメ時代のものでは『アリオン』、『クラッシャージョウ』、『ゴーグ』、『ヴィナス戦記』など。さらに自作の小説や他の作家の小説の表紙や挿画で『シアトル喧嘩エレジー』、『ダーティペア』など。最後に漫画家に専念してからの作品で『ナムジ』、『ジャンヌ』、『虹色のトロツキー』、『王道の狗』、『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』など…。他にも多くの作品が展示されていた。
 

超電磁ロボ コン・バトラーV DVD-BOX

超電磁ロボ コン・バトラーV DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2006/07/21
  • メディア: DVD


 

勇者ライディーン DVDメモリアルBOX(1)

勇者ライディーン DVDメモリアルBOX(1)

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2001/03/25
  • メディア: DVD


 

巨神ゴーグ DVD-BOX

巨神ゴーグ DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2005/03/24
  • メディア: DVD


 

ジャンヌ

ジャンヌ

  • 作者: 大谷 暢順, 安彦 良和
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: コミック


 

王道の狗 (1)

王道の狗 (1)

  • 作者: 安彦 良和
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: コミック

まず漫画原稿についてだけれど、他の作家の原稿を見たことがあるのだが、こんなに綺麗な原稿ははじめてと言っていい。通常、締め切りに追われて描く場合が多いからか、どうしても原稿用紙は汚くなりがちだ。それをホワイトで修正して仕上げていることが多い。ところが違った。ホワイトがほとんどないのだ。一切ペンを使用せず、全て面相筆で書かれた原稿は、集中線なども綺麗に枠線内に納まっていて、枠線をはみ出した線をホワイトで消したりしていないのである。これは見ていて震えが来る程の感動を覚える。

さらに『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』に関しては、いわゆるネーム原稿も展示されていて、これは本当にアイデアスケッチというか、ストーリ−の流れを確認するためのものとして、かなり荒々しいタッチのものであったが、その次にレイアウト原稿なる鉛筆書きの原稿があって、これが本番の原稿とほぼ寸分違わぬ完成度なのだ。風に舞う木の葉の数や大きさ、位置までも、ほぼこの時点で完成しているのだ。

そしてその原稿に「上ピン」とか「下ピン」とかメモ書きされていて、このコマの絵でどこにピントを合わせているのかまでを考慮して絵を描いているというのがわかり、やはりもともとが映像作家なのだなと思わせもするのだ。漫画のひとコマひとコマに、そこまでの注意を払って絵を描くのは、アニメ時代に絵コンテを描いたりしていたことで培われてきたものなのかも知れない。

カラーのイラストも同様で、こちらも見るものの目線をどこに引きつけようとするかをしっかり計算されて描かれているのがわかる。特に最近の作品群では、ディテールをかなり細い線で描くようになっているので、そうした部分はピントがバッチリ合っている箇所で、見る人の目をそこに誘導させる場所となり、そこから外れた場所は輪郭線をはっきり描かなかったり、塗りの色をぼかすことでピントが合っていない表現をしっかりしているのだ。

だが最も目が釘付けになったのは、かつてその絵を手本として自分でもイラストを描いていた、その頃とにかく穴があく程見続けていた劇場版『ガンダム』のポスターの原画だ。

この頃のカラー原稿は現在のものと異なり、かなりグアッシュの厚塗りをしていて、あまり対象物の輪郭を線で描くようなことはなく面で塗り分けられ、それこそ絵画的なタッチで描かれている。

素晴らしい。本当に素晴らしい筆の運びであるし、大胆な色遣いにも関わらず、細部を見ると非常に繊細な塗り分けと描き込みがなされていて、これをまねしようとしていた自分がいかに愚かだったか思い知らされる。そしてしばらくじっと見ていると、当時ずっと見続けたあの頃の自分の気持ちを思い出し、その絵の原画が目の前にあることに涙が出そうになった。

間違っても自分の絵ではかなうわけもないけれど…もとより上を行こうなんて思うはずもないのだけれど、またイラストを描いてみたくなってしまった。最近は絵を描くにも、もっぱらデジタルだ。やはり画用紙やキャンソンに筆を握って絵を描く…その楽しみを思い出させてくれた原画展だった。
 

安彦良和全仕事集

安彦良和全仕事集

  • 作者: 安彦 良和
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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『幻魔大戦』とその頃 [Comic / Animation]

先週末、NHKのBS-hiでなつかしき『幻魔大戦』が放送された。
古い作品だけれども、ハイビジョンの高画質でなかなかクリアに観ることができて、なんとなく当時を振り返ってしまった。

幻魔大戦

幻魔大戦

  • 出版社/メーカー: アトラス
  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: DVD

『機動戦士ガンダム』の記事でも書いたように、あの頃、ちょうど第2次アニメブームのまっただ中。夕方テレビを付ければ必ずどこかでアニメを放送していたし、春休み、夏休み、正月は、日本映画はアニメ映画であふれていた。

アニメ雑誌も様々なものが発行され、当時が最もその種類も多かったのではないだろうか。老舗の「ジ・アニメ」「アニメージュ」をはじめ「アニメディア」「マイアニメ」、少しマニアックな「アニメック」「OUT」「ファンロード」などなど…。(「ニュータイプ」創刊は「Zガンダム」放送開始の頃だからもう少しあとだった。)

そんな頃、日本映画にあらたかな風を吹き込んでいた角川映画が初のアニメーション作品を作るという。それが『幻魔大戦』だった。スタッフも豪華、キャストも豪華。いかにもな布陣で製作されたのだった。監督は劇場版『銀河鉄道999』のりんたろう。キャラクターデザインになんと大友克洋。音楽はプログレを代表するELPのキース・エマーソン(一部の曲を『銀河鉄道999』の青木望が担当)。美術はベテラン椋尾篁。スペシャルアニメーションという名前で金田伊功が参加。炎の竜や、主人公達のオーラの表現に一役買っている。

とにかく当時の話題は大友克洋の参加だったろう。「気分はもう戦争」や「童夢」で劇画界を席巻しはじめていたころだ。あのリアルな造形のキャラクターをセルアニメの技術で動かすことも大変だったろうと思う。しかしかなり頑張ったと言えるだろう。椋尾篁のこれまたリアルな描写の精細な背景ともマッチして、それまでのアニメにない世界を作り出すことに成功したのではないだろうか。新宿の街並みや吉祥寺のサンロードなど、知っていればいる程現実的に身近な世界で不可思議な物語が展開していくというのは、まるで実写映画のような感覚でもあった。

そうはいっても全体的に優れた作品であったかどうかといえば微妙だ。ストーリー展開にやや難有りで、主人公の東丈が覚醒していくまではいいとして、その後のニューヨークの話や、徐々に日本も荒れ果てていくというあたりから、展開が端折られていって、なんだかわからないうちに地球が幻魔の手先に荒らされていっているというのが理解しにくい。一番の問題はまだまだ幻魔の手先のような連中を倒しただけなのに、幻魔を倒したかのようなエンディングになっているのがどうなのかな、という点だ。このところは原作とされている石森章太郎の漫画のラストのコマで月に髑髏が浮かんで見える絵で終わっているような、そんな表現の方が良かったのかなあと思うんだけれど、とにかくハッピーエンドにしたかったのかな。

幻魔大戦 第1巻 (1)

幻魔大戦 第1巻 (1)

  • 作者: 平井 和正
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 1986/06
  • メディア: 新書


この『幻魔大戦』は春休み公開だった。同じ時期『クラッシャージョウ』と、『宇宙戦艦ヤマト・完結編』が上映されていた。三つ巴の戦いとも言われていたけれど、結果どの作品が最も興行収入を上げたかは知らない。『宇宙戦艦ヤマト』以外は観たけれど。

でもアニメファンだけじゃない人たちまで巻き込んで観客が劇場に足を運ぶなんて、最近ではジブリ作品くらいだろう。『幻魔大戦』は角川映画ということや、大友克洋のキャラクターもあってかなり一般層まで食い込んだものとなったように感じているが、こういう作品は今はなかなか出てこないね。アニメの製作現場がちょっとアニメファンやマニア向けになりすぎていて、その辺のバランス感覚を全く失っているような気がするのだ。それってテレビアニメでもそうだけどね。殻に閉じこもりすぎたアニメは一定需要はあるだろうけれど、それだけのものってなっちゃうだろう。それでいいのかな。


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『機動戦士ガンダム』 [Comic / Animation]

いわずと知れた、第2次アニメブームを支え、今なお新作が作り続けられ、新たなファンも獲得しているロボットアニメの金字塔である。

あ、いや、そう書いてみて、世の中的にはそうかもしれないけれど、自分にとってのロボットアニメの金字塔は、やっぱり小さい頃タイムリーに見ていた『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』『ゲッターロボ』『鋼鉄ジーグ』『大空魔竜ガイキング』『勇者ライディーン』『超電磁ロボ コンバトラーV』などなど…なのかなあ、と(なかでもイチオシは『マジンガーZ』なわけだが)。で、その時代あたりでロボットアニメってだんだん見なくなっていたのだ。

なもので、小学校6年の時に出会った「ガンダム」は既にロボットアニメを卒業した自分にとっては見る対象ではなく、歯牙にもかけない状態であった。

しかしながら中学に入り、「ガンダム」の劇場版が作られることを知った。テレビシリーズの劇場版といえば相当な人気がなければなし得ないことである。「ガンダム」がそれ程のものなのか? そのことが不思議で仕方がなかった。

そんなある時、劇場版第1作目のポスターを目にして驚いた。ベージュ色の背景にガンダムの頭部を背中に主人公のアムロ・レイがヘルメットを持って立っているアレだ。これまでのアニメのポスターでは見たことのないグアッシュを使用した絵画的なポスターが目を引きつけて離さなかった。これを見て、これまでのロボットアニメとは違うのでは? と感じた。そしてまもなく開始された再放送を見て、それは確信となった。

そんなわけで自分にとっての「ガンダム」というのはキャラクターデザイナーでありアニメーションディレクターでもあった安彦良和なしには今に至っても成立しないものとなっているのである。そのためストーリーとしてはエピソードにもふくらみのあるテレビシリーズの方がいいとも言えるのだが、やはり最高傑作は劇場版であって、なかでも3作目の『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇』なのである。ここでの新作画のすばらしさは他に例えようもなく、鉛筆のタッチを残した柔らかな線が生み出す血の通ったキャラクターたちの演技は声優陣の素晴らしさもあいまって、何度見ても飽きさせないものとなったと感じている。

だからかもしれないが、ガンプラにも興味はなかった。モビルスーツはどうでもよかったのだ。キャラクターこそ「ガンダム」世界を象徴するものと考えていたのだ。

そのためその後作られた続編や「ガンダム」を名乗る新作たちには目もくれることはなかった。さすがに『Zガンダム』だけはとりあえず見たのだけれど、安彦良和はキャラクターデザインのみで、作画は当時『ザブングル』『ダンバイン』『エルガイム』を生み出してきた湖川友謙率いるビーボォーが中心だったこともあって、線や動きが堅く(湖川友謙がキャラクターデザインをした作品では問題ないのだけど)安彦良和の絵にはあわなかったように思うのだ。『逆襲のシャア』や『F91』も同様で、安彦良和のキャラクターを生かし切っていない作画に失望した記憶がある。

今、手塚治虫の漫画を後輩の若手漫画家が再構築しはじめている。代表的なものは浦沢直樹の『プルートゥ』だろう。キャラクターを借りて独自の解釈で作られたその作品はとても興味を引くものとなっている。だが、ファースト以降の一連の「ガンダム」作品群は、別なキャラクターで時に別な演出家で作られたりしてきたが、果たしてファーストを再構築するに至ったものはあっただろうか。なぜ「ガンダム」の衣を着なければならないのか、その部分がとっても不思議なのだ。

また(これはたぶんに好みの問題をはらんでいるので、そうではないと思われる方も多いであろうが)キャラクターに個性がない。多くの登場人物たちに人間味のある性格付けもなされてはいない。ファーストではゲストキャラクターまで印象に残る人物造形がなされていたように思う。連邦もジオンも、末端の兵士まで個性的な人物デザインと描き分けがなされていた。これは中年のオヤジをとっても魅力的に描くことができる安彦良和ならではのものなのだろう。

こうした部分は実は「ガンダム」に限らず、昨今のアニメーション全般にわたって同じように存在する問題なのかとも思うのだ。キャラクターデザイナーが全て同じ人間ではないかと思うような無個性な絵と、いわゆる大人の登場人物が(あまり)存在せず、10代からせいぜい20代くらいの試聴するファン層と同じくらいで、殻にこもった自分たちだけの世界を展開している作品が多くはないだろうか。代表的なのはいわゆる「萌え」アニメなのだろうが、こうした兆候がいつから出てきたものか知らない。ただもはやそこには自分が見たいと思うべきものはないのだなあという感慨しかない。今はアニメといえば主にCSで放送される昔の作品とジブリやディズニーくらいしか見なくなってしまった。

自分が変わってしまったということなのか、あるいは変わらないからついていけていないだけなのか。

話を「ガンダム」に戻そう。最近、安彦良和が描くファーストガンダムの漫画化作品『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』が人気だという。読者の大半は自分と同世代で、もしかすると上記のようなことを思っていた人たちなのかも知れない。けれど、新作の『SEED』などを見て「ガンダム」ファンになった小学生などもいるだろう(私の甥もそうだ)。そうした若いファンにこそ『THE ORIGIN』を見て欲しいな。そして知って欲しい。この絵によって作られた世界こそが「ガンダム」の原点であったのだ、と。

※ちょっと大げさだったかな。

 

機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2006/12/22
  • メディア: DVD

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それってアレじゃん… [Comic / Animation]

今日通勤途中で前の男性が週刊少年ジャンプを読んでいた。

漫画は読むのだが単行本しか買わないので今ジャンプにどんな漫画が連載しているかは知らない。
何の気無しに見ていたら、野球漫画だったと思うが、「男なら、負けると分かっても戦わなければならない時がある…」のようなセリフがあった。

それって映画の『銀河鉄道999』でのキャプテン・ハーロックのセリフじゃん!

…って思ってしまった。
で、思ったはいいのだけど、そんなことを思ってしまうワシっていったい…ってフッと考え込んでしまった。


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