ドン・キホーテの火事に思う

昨日夜さいたま市のドン・キホーテでおこった放火と見られる火事により、3人の従業員の方が亡くなった。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

何かにつけてトラブルメーカーのドン・キホーテではあるが、例え恨みにせよ放火は許されるべきではないし、一刻も早い犯人逮捕を望む。そしてまたこれをまねた同様の事件が起きないことを願う。

今回の事件は、直接の原因が放火であったかも知れないのだが、火事が発生した時の危機管理は一体どのようになっていたのかが気になって仕方がない。というのも、自分は今の仕事の前にいわゆる大手量販店に勤めており、事件後に報じられたドン・キホーテの「圧縮陳列」の問題や、消防法違反の問題など、当時の勤務先の状況・状態と比較すると、とても信じがたく、どうしてこれまでそのまま営業を続けることができたのか、はなはだ疑問に感じるからである。

少なくとも、東京消防庁の査察を受けて、全店舗が消防法違反の指摘を受けたということに対して、会社側が一体どのような対応をとったのか、またその指摘の重さをどう受け取ったのかが今後の問題となろう。

流通業界に勤めるものとしては、忘れることができない出来事がある。それは1990年に兵庫県の長崎屋尼崎店で起きた大火災だ。この時の火災では、防火扉前に商品の荷物が積まれていたために、防火扉が閉まらず、火や煙の回りが早く15人もの方が亡くなるという大惨事となったのだった。この出来事をドン・キホーテの経営層が知らないはずがない。知っていてなお、ということであるならばその対応の問題、すなわち万が一の時の予測に甘さがあったのではないか、あるいは万が一など起きないと高をくくっていたのではないだろうか、ということを指摘されても仕方がないだろう。

買い物に対する考え方の問題もあって個人的にはあまりあのゴチャゴチャした店内が好きになれなかったし、深夜営業の考え方にも疑問を持っていたので、どちらかといえば批判的な目で見ていたことは確かだ。特に深夜営業のことでいえば、例えばコンビニの場合などは、基本的には不意に必要なものができてその目的のものを購入するために訪れるということを考えれば、深夜営業は便利なものであるしその必要性も理解できる。しかしながらドン・キホーテの場合は、その“ジャングル”のような売り場のせいもあって、不意に必要なものがあって買いに行くという同じようなシチュエーションであっても、目的のものを店内で探すのにかなり手間取るし、そういった意味ではあまり便利なお店とは言い難い面もあるのではないかと思う。むしろ夜中の時間をもてあましてフラッと立ち寄るということの方が多いのではないだろうか。そして、そのことによる風紀の乱れや駐車場などでの夜中の騒音といったことを近所の方々は問題視していて対立・トラブルとなっていたようだ。

しかし、それでも客足は絶えないことや、話題のディスカウントショップということで注目されていることから、傲慢になっていたという部分はあるのかもしれない。普通であれば地元の皆さんがお客さんであり、また地元の商工会などと与して地域全体で商環境を整えていく方向にいくものだが、頑としておのが道を突き進んでいく経営手法を執っていて、そうしたことがもしかするとトラブルを生み、放火へとつながり、また危機管理の甘さによって大事故へと至ってしまったようにも思えるのだ。

そうして今回3人の方の命を奪うこととなってしまったわけだが、今後の経営方針などどのように変化していくか気になるところである。

タグ：さいたま市 ドン・キホーテ 放火 火事 危機管理 圧縮陳列 消防法違反 東京消防庁 査察 流通 長崎屋尼崎店 防火扉 深夜営業 ディスカウントショップ 商工会

コメント 1

ｎｉｃｅ！のお返しと云うわけではありませんが、ドン・キホーテに対しては全くの同感です。

また同じ店舗で放火があったようですし、これはかなりの恨みを持った者の仕業ではないのかと思います。

当然犯人は許せませんが、今までのドン・キホーテの住民からの苦情への対応といい、今回の記者会見への社員の進入といい、どうも涙の記者会見とは真逆の印象を持ちます。
納入業者もかなり叩かれていると何かの記事で読みました。（まぁこれはドン・キホーテに限らないでしょうが）

一刻も早い事件の解決を願うと共に、これを機にドン・キホーテの運営も見直されることを願います。
by goodday-goodtime (2004-12-17 01:08)