ライブドア、ニッポン放送株50%超取得 [This and that]
…というニュースが夕方流れた。
ついに、という感じではある。
個人的にはライブドアに「天晴れよくやった」の気持ちは全くない。HANNAさんのこの記事にコメントしたように、まず堀江氏の今回の一連の件に関しての言動に共感するところがないのが理由ではある。
とにかく「金さえあれば」という態度が鼻につくし、既存マスメディアの資産をネットとの連携で新しいビジネスにつなげると言っても具体性がないし新味に欠ける。しかも現在ニッポン放送では社員が組合を結成し、ライブドアの支配に対抗しようという姿勢を見せているし、報道されているようにポニーキャニオン株をフジテレビに売却するということになれば、いちラジオ局を買収したに過ぎなくなり、当初の思惑ははずれてしまうわけなのだが、ラジオというメディアをどうしたいこうしたいということについては、フジテレビや産経新聞のこと以上に今後の計画を明瞭にはしていないように見える。これでは従業員がフジサンケイグループに残りたい、残った方が企業価値が維持できると思うのもやむを得まい。また、結局はマネーゲームなんじゃないかとの疑問を投げかけられても仕方がないのではないだろうか。
一方フジテレビに対しても(番組を見ないわけではないけれど)特に支持するつもりはない。芯の通っていない番組があまりにも多いし、「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンのもと、一億総白痴化(は言い過ぎかも知れないけれど、難しいことは考えるのよそうよ。真面目なんてはやんないよ。世の中なるようになるんだから。と、いうような人間を着実に増やしてきたこと)の一端を担ってきたのではないかという、マスコミという公共財でありながらその使命を忘れたかのような振る舞いに呆れる思いがあるからだ。
ただ、このあとどのような方向に進んでいくかわからないけれど、「一緒に協力して事業をやっていきたい」と言うような人間が、法的にOKだからといって、共感の得にくいグレーな方法で、会社を乗っ取るというようなことは、できれば成功して欲しくはない。
物事を地道に真面目に取り組んでいる人間が一番損をするような「やり得」な世の中はウンザリだ。
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