自分ならどう思うだろうか？

JR西日本の問題は、あれだけの犠牲者が出た大事故だったので、まだまだしばらく尾を引くことになりそうだ。

ただ最近は事故当初からのマスコミの取材姿勢の方が問題となっていて、特に最近はボーリングや宴会、ゴルフ、事故電車に同乗していた2人の社員がそのまま出社したという出来事を捉え、過剰な感情論や偏った正義感での報道に走っているとの批判もでてきている。
こういう取材する側のモラルやあたかも自分自身が犠牲者のごとく感情的になるということに対する疑問などが出てくること自体は、しごく健康的なことであって、これによってマスコミの報道が客観的な分析に移っていくことができればいいなとは思う。

一方、この事故に対しての一般の方々（被害に遭われた方やそのお身内・関係者の方は除いて）へのインタビューなどで思うのは、「安全よりスピードや時間の正確性を重視したJR西日本ってどうなんだろうと思いますね」という趣旨の発言をしている人が多いということへの懸念だ。もちろん発言しているその人個人に対してどうなのかということを糾弾するつもりはなく、むしろ先の感情的なマスコミの報道に触れて、「そうそうひどいよねえ」と多くの人が短絡的に考えてしまうことの危うさはどうなんだろうか、ということなのだ。

例えばこれまであなた自身は電車が遅れたとことに対して苦情や抗議はしなかっただろうか。また電車の遅れで約束の時間に間に合わず苦々しい思いをしたことはなかったか。その時その言い訳を時間に余裕を持って行動しなかった自分への反省ではなく、2、3分遅れた電車の責任だと思いはしなかっただろうか。

少なくともこういう利用者の声がなければ、企業としてもああまで時間厳守の体勢を貫こうとはしなかったのではないだろうか。あの企業姿勢は我々利用者が生み出したということは言えまいか。

効率や過剰なサービスを求めすぎている日本の消費者が過度な競争を生み出しているのだとしたら、それが経済的な発展や技術力の向上を生むのだとしても、そこに別のゆがみを生じさせてしまうのならば、どこかで利用者である自分たち自身が気持ちの余裕を持つことも大事なんじゃないかと思うのだけれど…どうなんだろう。

もちろんだからといって人名を預かる事業者が安全面をないがしろにしていたというそのことの責任を免れるわけではないのだけれど。

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コメント 2

マスコミには客観的な報道をしてほしいものです。
民意を操作するような報道はいかがなものかとおもいます。。
by ichiro (2005-05-08 12:11) 

そうです、余裕をもって家を出ればいいだけなのに、ギリギリの時間の電車にのり、電車の遅れたといって走って学校へということがしょっちゅうの私です。電車が遅れた、客から不満がガンガンでている、といったとき、人として急いであげたいとかプレッシャーを感じることは当たり前ですよ。まあ、それが専門の知識（何キロぐらいまで出せるのかとか）、技術をもった運転士として正しい判断だったかどうかは別ですが…。とにかく、こういうマスコミを見ているとうんざりしてしまいますよね。
by hamiltonian (2005-05-12 17:18)