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サイモン&ガーファンクル [Music]

昨日、東京ドームで行われたサイモン&ガーファンクルのコンサートに行ってきた。なにか“ライヴ”というイメージよりも“コンサート”という呼び方の方がここでは相応しい感じがする。

サイモン&ガーファンクルを知ったのはいつだろう。恐らくはその名前よりも先に楽曲の方を耳にしていたように思う。確かSONY製品のテレビCMで「スカボロー・フェア」が使われたのではなかっただろうか。澄んだコーラスに心地よく郷愁のあるメロディー。琴線に触れ、当時とても印象に残ったような記憶がある。

その後だろうか、友人からいろいろと洋楽アーティストの曲を薦められた中に、サイモン&ガーファンクルもあったのだ。聴いたのは伝説のセントラルパークコンサートのライブ盤だったと思う。その盛り上がりにはとにかく感動したのだった。けれどそのあとは二人での活動もずっと続いたわけでもないし、むしろ80年代はソロでのポール・サイモンの活躍が目立ち、「グレイスランド」もあったし、ポールの曲はよく聴いたのではなかっただろうか。

だからサイモン&ガーファンクルはもう自分にとってはビートルズやカーペンターズ、レッド・ツェッペリンなどとともにCDの中だけの幻のアーティストという感じでいたのだった。ところがそのサイモン&ガーファンクルが来日するという。二人とも1941年生まれだから今年68歳。失礼ながら次の来日があるかどうかわからないし、これが最後の来日公演になるかもしれず、見に行くならこの機会を逃していけないだろうなと思ってチケットを入手。東京公演2日目となる昨日、見に行ったのだった。

やはり60年代から70年前半までに活躍したアーティストだけに、観客の年齢層が見た目50代以上がかなり多く、自分が行くコンサートではこれまでにない高年齢の客層だった。

コンサートが始まり冒頭、往年の二人の姿が映像で映し出され徐々に現在へと進んでいき、東京ドームの外観が映し出されたところで二人がステージに登場。その時の場内の異常な盛り上がりはそれまでの東京ドームでは味わったことのないような雰囲気だった。ただし、そこでいきなり立ち上がったりしないのがやはり観客の年齢なのだろうか。大きな拍手が鳴りながらもおとなしく座っているように見える観客にどことなく二人がとまどっているようにも見えたのは気のせいかもしれないけれど。

1曲目は「旧友」。久しぶりに来た日本のファンへの挨拶という意味合いもあったのかな。そして2曲目が「冬の散歩道」。少し若めの人たちにはドラマ「人間・失格」で使用されたので、その記憶がある曲かもしれない。

アリーナBブロックのステージ正面だったのでとてもいい席だったけれど、それでも二人がそんなに大きく見えるわけでもなく、登場してその姿を見た時は、ああ意外と昔と変わらない姿だなあと思ったのに、後ろのスクリーンに大きく映し出されたその顔を見るとやはり相当の年月を感じてしまったのだった。とくにポールの方が顔だけ見るとかなりのおじいさんという雰囲気。アートの方がその立ち姿も含めて若く見えたかな。けれど歌声は逆で、ポールの方が声量も大きく昔ながらの声のままで変わらない歌声だった。一方のアートは肺活量が少なくなったかのような息づかいで少し苦しそうだったし、声もかすれたような感じで「天使の歌声」ももう無理なのかなあと感じたのだった。

ところがどうだろうか、お互い3曲ずつのソロパートをはさんで後半へと進んでいくと徐々にその声がみるみる良くなっていったのだった。そしてそのピークは本編ラストを飾る「明日に架ける橋」だ。ピアノのイントロからアートが歌い、ポールが歌い、そして二人で歌いさびをアートが歌い上げる。そのさびの部分の声の伸びがもう本当に素晴らしく、まさに感動に打ち震えるというような状態となったのだった。会場全体が同じように感じたのだろう、曲が終わったと同時にそれまで座っていた観客が一斉に立ち上がりまるでスタンディングオベーションのようなかたちとなり、そんな会場の様子に二人もとっても満足したような表情を浮かべ、観客に向かってお礼としてだろう、手を合わせて何度もうなずいていた(個人的には日本人相手に手を合わせるのはずいぶんとステレオタイプな日本人相手の挨拶で、それもどうなんだろうと思うんだけど、まあそれ以上に感動の方が強く、ま、いいかという気持ちになったのだった)。

そして2度のアンコールで4曲も演奏して、トータル2時間以上。最初は年齢も年齢だし2時間もないんじゃないかな、なんて思っていたのに、非常に充実したコンサートとなったのだった。

見に来た人たちみんながなんだか幸せな空気に包まれたようなそんなコンサートで、本当に、本当に素晴らしかった。行ってよかった。

11日のセットリストは以下の通り。

**********

Old Friends ~ Bookends Theme
Hazy Shade of Winter
I Am a Rock
America
Kathy's Song
Hey Schoolgirl
Be Bop A Lula
Scarborough Fair
Homeward Bound
Mrs Robinson (includes Not Fade Away)
Slip Slidin' Away
El Condor Pasa

Art Garfunkel solo
Bright Eyes
A Heart in New York
Perfect Moment ~ Now I Lay Me Down to Sleep

Paul Simon solo
Boy in the Bubble
Graceland
Still Crazy After All These Years

Only Living Boy in New York
My Little Town
Bridge Over Troubled Water

Encore-1
Sound of Silence
The Boxer

Encore-2
Leaves That Are Green
Cecilia



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明日に架ける橋

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  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
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水曜の朝、午前3時

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コメント 2

u4

さすがにアンコールにいい曲もってきてますね。

by u4 (2009-07-13 22:07) 

MK

いや本当に、「明日に架ける橋」からラストまでは怒濤の盛り上がりでした。「ボクサー」で終わってもしみじみしていいかなあと思ったのですけど、「いとしのセシリア」のような陽気でリズミカルな曲で楽しい気分になって終わるというのがよかったかもしれません。
by MK (2009-07-15 01:32) 

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