似ているか？ リチャード・ギア

「Shall we dance?」のプロモーションで来日しているリチャード・ギアが小泉総理大臣と面会した。こうしたニュースを見るたびにいつも思うのは、こういう訪問を仕掛けているのはどっち側なんだろうということだ。

今回で言えば映画会社側なのかあるいは首相の側なのか。記録を作ったスポーツ選手たちと会うような場合は、首相の意向であることがほとんどなのだろう。だけどさすがに今回のような場合は、映画会社の方から依頼があってのことなんだろうな。一応宣伝として、話題になるし。

だけどこういうことが一番効果的な宣伝になるのは首相の方なんだろう。いわゆるイメージ戦略だ。だから訪問を受けるんだろうし。自分からもいろんな著名人と会おうとするのだろう。

まあ、その戦略の効果も支持率が高かった頃ならいざ知らず、最近はあまり効果もないのだろうな。効果がないというよりも、むしろ腹立たしいとさえ思ってくるな。だって国会会期中だよ。重要な法案だってあるだろうし。既に決まった来年度予算だってまともな審議が行われなかったし（まあ、これは野党もダメなんだけど）。年金問題や財政問題、教育問題、経済問題、色々と国内でひずみが起きていることがいっぱいあって、放っておけない事柄もたくさんあるのに、「よく審議してもらいたいですね」なんて全く人ごとで他人任せ。自分が主導権を持って、将来の日本をこうしようと引っ張っていこうという気配すらない。そのビジョンも示さない。そのくせ問題が多い郵政民営化だけはバカのひとつ覚えのようになにがなんでも実行しようとしている。

国の借金も増えてしまった。でもそうした財政の問題の抜本的な解決は棚上げのままで、自分ばかりがへらへらとハリウッドスターと社交ダンスだ。

訪問後に記者に「首相に、野党や自民党の抵抗勢力とうまくダンスを踊るアドバイス」をお願いしますと言われたリチャード・ギアが「相手の言うことに耳を貸すこと。本当に耳を傾けるには忍耐がいる。相手の言うことを心から聞いてあげることが一番」と答えたそうだが、恐らくそういう耳の痛いことはそれこそ耳を貸そうともしないんだろうな。

リチャード・ギアに似ているなんて髪の色だけだね。恥ずかしい。

何とかならんのかな。

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