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『恋の門』 [Cinema]

※映画の感想・評論(もどき)の文章では基本的にストーリーに触れる部分があるため未見の方はご注意を。

2004年『恋の門』製作委員会
監督:松尾スズキ
原作:羽生生純
出演:松田龍平/酒井若菜/松尾スズキ/小島聖/塚本晋也/忌野清志郎/大竹まこと/平泉成/大竹しのぶ
評価:★★★☆☆

いつだったか、何かの映画を見に行った時に予告編を上映していた。はちゃめちゃな印象を受けたのだけれど、なんだか独特な世界がしっかり描かれていそうな予感はして見たいと思ったのだが見逃していた作品。

今日WOWOWで放送があったので、ようやく見ることとなった。

原作は漫画ということなのだが実は読んだこともないし、その存在さえも知らなかった。なので、原作との比較云々はなしにして純粋に映画の感想だけを書きたい。

恋の門 (1)

恋の門 (1)

  • 作者: 羽生生 純
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: コミック

予告を見た時に感じたはちゃめちゃな印象というのは本編でも同様だった。ここまで普通の映画のセオリーを無視した映画は日本映画では珍しいだろう。しかしそれが破綻しているかといえばそうでもないのだ。むしろ意外なほど映画の世界にグイグイ引き込まれてしまうのだ。これはなんなのだろう。見終わってももう少し二人の成り行きを見たいと思ったし、もう一度最初から見たいとさえ感じられたのだ。

これは面白い芝居を劇場で見た時の帰りの感覚に近いかもしれない。その点やはり松尾スズキの本領発揮ということなのだろうけれど、商業演劇のようなしっかりした物語と役者の演技で観客を魅了するのとは違って、どちらかというと小劇場の、舞台全体の勢いとか飛躍したストーリー、それらが後半になって一気に収束して全体のテーマが見えてきて、そのあたりから舞台に気持ちが集中していくような、そんな感覚なのだ。

松田龍平はあんまり好きではなかったがここではキレた感じがよく出ていた。だけれどもう少し表情にもっと色々な変化が出るといいのかも。若干まだ堅い印象。酒井若菜はオタクな感じと普通のOLの変わり様がよかった。実は最後のエメラルダスのコスプレがよかったかも。

コスプレといえば、平泉成と大竹しのぶだ。ふたりともベテランなのに役者だなあ。999の車掌さんとメーテルはなんとなくノリとしてもわかるんだけど、物語中盤での『伝説巨神イデオン』のコスモとキッチンだなんて、普通わかんないだろうなあ。はっきりいってこの場面が一番笑えてしまった。で、こんなある年代以上の人しか分からなくて、しかもそれでいて相当マニアックなキャラクター選びののコスプレを見て、この映画の本気度が分かったような気がしたのだ。

とにかく見終わってからなんだか頑張ろうって気にさせられる不思議な映画だった。

恋の門 スペシャル・エディション (通常版)

恋の門 スペシャル・エディション (通常版)

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2005/04/08
  • メディア: DVD

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コメント 2

papa007_

ご無沙汰してます。MKさんの記事を拝見して、レンタルして観てみました。
書いていらっしゃる通り、イデオンは、、、(笑)
印象に残ったシーンは三者三様、マンガを描くシーンと、ギバババーンのラブシーン、、あんなのヤダ(笑)
by papa007_ (2005-11-02 12:28) 

MK

だいぶレスポンスが遅くなってしまいました。私のつたない記事で見る映画を選んで頂けて光栄です。漫画を描く場面は後半のピークでしたね。
by MK (2005-11-30 21:37) 

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