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今頃「新橋演舞場 六月大歌舞伎」&「歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎」 [Play]

歌舞伎役者では吉右衛門さんが一番好きだとこの記事で書いたけれど、その時の話題の「国立劇場開場40周年記念公演『元禄忠臣蔵』」も、3ヶ月をどこで分けているかが発表になっている。

ちなみに吉右衛門が出演する10月はこちら

また、その時話題にした5月の新橋演舞場公演。仕事が忙しかったのでギリギリまで調整が付かず、こりゃあ見に行けないかなあと思っていたら、何とかなって公演も終わりに近付いたある日、ようやっと見に行けた。見たのは昼の部。演目は「ひと夜」「寿式三番叟」「夏祭浪花鑑」だ。

この中で吉右衛門は「夏祭浪花鑑」に団七九郎兵衛役で出演。ここのところ「夏祭」といえば勘三郎のものばかり見ていたので、凄く新鮮だった。団七の気持ちが良く伝わってきたし、長町裏の義平次の殺しの場面の見得の数々などがやはりピシッと決まって様になり、とても美しく歌舞伎らしい。これにはお相手の義平次を演じた歌六の好演もあったればこそだろう。憎々しさがひときわだっていたように思う。

でも福助のお辰は良くなかったな。きっぷの良さよりもイヤらしさがでていて、自身の解釈なのかも知れないが、なんとなく頷けない感じだ。

他に「三番叟」での染五郎と亀治郎の踊りも凄かったし、「ひと夜」は朝一番で見るような芝居ではなかったようにも思うけれど、珍しい演目で面白く見れたしまあまあかな。

そしてその時の筋書に9月の歌舞伎座では初代吉右衛門生誕百二十年を記念した「秀山祭」があると書かれていて、これもまた楽しみだなあと、思っていたら、その9月が大変なことになったようだ。

既に松竹のサイトでも演目と役者が発表になっているが、いやもう言葉にならない。

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【昼の部】
・菅原伝授手習鑑 車引
     梅王丸:松緑
     桜丸:亀治郎
     松王丸:染五郎

・双蝶々曲輪日記 引窓
     南与兵衛後に南方十次兵衛:吉右衛門
     女房お早:芝雀
     平岡丹平:歌昇
     三原伝造:信二郎
     母お幸:吉之丞
     濡髪長五郎:富十郎

・六歌仙容彩
   業平小町
     小野小町:雀右衛門
     在原業平:梅玉
   文屋
     文屋康秀:染五郎

・菅原伝授手習鑑 寺子屋
     松王丸:幸四郎
     武部源蔵:吉右衛門
     春藤玄蕃:段四郎
     園生の前:福助
     戸浪:魁春
     千代:芝翫

【夜の部】
・鬼一法眼三略巻 菊畑
     皆鶴姫実は鬼三太:幸四郎
     虎蔵実は牛若丸:染五郎
     皆鶴姫:芝雀
     笠原湛海:歌六
     吉岡鬼一法眼:左團次

・籠釣瓶花街酔醒
     佐野次郎左衛門:吉右衛門
     八ツ橋:福助
     立花屋女房おきつ:東蔵
     下男治六:歌昇
     九重:芝雀
     繁山栄之丞:梅玉
     立花屋長兵衛:幸四郎

・鬼揃紅葉狩
     更科の前実は戸隠山の鬼女:染五郎
     平維茂:信二郎

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どうだろう。まず演目が近頃の歌舞伎座ではあまり見られないくらい歌舞伎らしい演目が並んだようにも思う。そして役者の層もとっても厚くなって見応えのありそうな予感がするのだ。

なにより誰もが口を揃えて話題にするのは吉右衛門と幸四郎の兄弟での共演だろう。ここ何年も共演がなかったこともあって不仲説がまことしやかに流れたりもしていて、それはそれは残念な気がしていたのだ。事実はわからない。本当に何か諍いがあって、同じ舞台には立ちたくないということもあったのかも知れない。けれど今の歌舞伎界で重厚な役を演じられる脂ののった兄弟役者だ。今回のような演目ではやはりガチに演じてもらいたいと思うものだが、それが実現したことが何より嬉しい。本当は「引窓」でも十次兵衛と濡髪でガチンコして欲しいが(昔NHKで二人の共演を見たことがあったっけ)、「寺子屋」だけでも充分と言えるだろう。

ま、個人的には歌舞伎の幸四郎は実はあんまり好きではないのだけどね。「アマデウス」なんかを見ると凄い俳優だなあと思う。本当に心底そう思う。けれど歌舞伎の芝居では何となくどうもなにか頭でっかちな演劇臭さが匂って歌舞伎独特のおおらかさや人情味がないような気がするから。

父親の演じた「鬼平犯科帳」が池波正太郎の指名で吉右衛門に継がれたのもそういう人情味の部分で幸四郎には欠けるところがあるのかな、なんて思ったりして。

そういえば話しは飛ぶけれど、少し前の「スマステーション」で2週続けて幸四郎がゲストに出演した時、弟の吉右衛門の話題が全く出てこなかったのはどういうことなのだろう。歌舞伎一家としての話が出ても、兄弟の話がそこに含まれないのは何となく解せない気がしたんだよなあ。

ま、とにかく共演が決まったのだ。お互いがお互いを過剰に意識しすぎてかみ合わないような芝居にだけはならないことを祈りたい。もしそんなことになったらそれこそ二度と共演なんてなくなりそうだから。そうなったら歌舞伎界には不幸なことだもんね。

チケット確保をどうしようかなあ…。


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