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「セーラー服と機関銃」 [TV / Entertainment]

今期のドラマで気になる作品のひとつ。今日は第2回。

「セーラー服と機関銃」と言えば、やはり我々の時代では角川映画の大ヒット作品だろう。当時はご多分にもれず薬師丸ひろ子のファンでもあったから、結構期待していたのを覚えている。公開前に原作も読んだし。今回ドラマが始まる前に、その原作の文庫本を引っ張り出してみたら、第2版のものだった。結構大きく話題になる前に買っていたんだなあと思った。で、その原作は赤川次郎がサラリーマンをやめて作家に専念した第1作で、その後の赤川次郎らしさが随所に見られる意表をつく展開に、現実にはあり得ない設定を軽妙なタッチで納得させつつ読み進めることができる今でも面白い代表作だ。
 

セーラー服と機関銃

セーラー服と機関銃

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/09/15
  • メディア: 文庫


 
原作が面白く軽妙だったからか、映画をはじめて見た時は実は違和感が相当あった。これは原作とは全然別物じゃないかとさえ思ったものだった。まゆみの設定も違うし、相米慎二の長回し撮影がドラマを妙に生々しいものにしていて、中学生の身には、かなり背伸びした映画のように感じたものだった。もちろんその後何度か見直したり、カット部分を追加した「完璧版」を見て、ここでやりたかったことが見えてきたりもしたし、薬師丸ひろ子演じる星泉が、この出来事を通して大人へと成長していく姿を感じ取れ、ラストの伊勢丹前のショットに重なるモノローグも理解できるようにはなったのだけど。
 

セーラー服と機関銃

セーラー服と機関銃

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/10/20
  • メディア: DVD


 
今回、その作品を旬の若手女優No.1ともいえる長澤まさみが演じてドラマ化。宣材のポスターなどを見てもかなりさまになっていて、これはひょっとしたらひょっとする面白いものになるのではないかという期待が感じられた。

第1回を見て、その期待はまあまあ満たされるものだった。コメディ演出もドラマとしては十分だし、過剰にならない程度の抑制もきいていた。ただ、原作とも映画とも違う設定に替えている部分がこれからどうなるのだろうという若干の不安もあった。

そのオリジナルの部分は今回の第2回でさらに広がったと言っていいだろう。まずドラマの場所を浅草にしたこと。子分の人数がひとり多いこと。浜口組がとにかく最初から敵対していること…などなど。

浅草になったのは、まあ仕方がないのかも。現在で新宿でヤクザでは、かなり本格的な話しになってしまって、目高組のような任侠の世界は存在しにくいだろうし、描きにくいということもあったのだろう。子分の人数は物語のふくらましとしていいとして、浜口組については最初から悪い描き方だとどうなんだろうなあ。一応最初は泉を気に入るというのが原作での話な訳だし、むしろ敵対しているのは松の木組だったわけで、それは設定されていない。ここが今後のなくなったヘロインの行方とどう絡んでくるのか、あんまりオリジナルになりすぎると原作があってなきがごとしになっちゃうので、やはりあくまで原作の骨組みは生かしていって欲しいなあと思うのだ。

そうは言っても既に撮影も終わってしまったドラマだし、今後の展開はとりあえず楽しみに見守るしかないんだなあ。オリジナルの話になっても面白ければ良し。中途半端になってしまったら脚色失敗ということなわけで、果たしてどちらに転ぶのだろうか。

出演者はなかなか個性的で魅力もあっていいと思う。長澤まさみもボケッとしたキャラクターをうまく演じていて、それが時折キリリとする変化を一層際だたせているので、ドラマにメリハリと締まりが出て非常に面白い。

ひとまず今後を楽しみたい。


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