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Volkswagen Golf VIに試乗してきた [Car]

試乗してきたといってもこの週末のことではなく、実は2週前の12日である。Audi New A4 Avant 2.0 TFSI quattroに試乗したのと同じ日である。遅くなったがその時の感想を書こうと思う。

試乗した前日の土曜日にも近所ということもあってディーラーに行っていたのだけれど、その時は試乗車が系列の他店へ移動している途中ということで展示車しかなく、しかたなくまずは展示車を見せてもらうことに。
 
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その展示車はシャークブルーメタリックのComfortline。4月10日の記事に書いたあの展示車である。外から見るのと違って、間近に見るとまた印象が異なって見える。それも悪い印象ではない。むしろ好印象だ。

当初、ヨーロッパで先行して発表されたシロッコに比べて後から発表されたゴルフVIは、その期待値に比べて写真で見る限りはやや凡庸に見え、フロントグリル周りも最近の日産車あたりでもよく見られる形状で、シロッコ程個性もなく、なんとなくつまらないデザインに思えたものだった。

しかし目の前にした実物はなかなかグリルもライトも凝った造形をしていて質感も高く、ちゃんと個性的な仕上がりになっていた。これなら好き嫌いも別れにくいだろうし、奇抜すぎるワッペングリルよりも長く飽きずにいられそうな感じだ。世界の標準車かくあるべしということなのだろう。

横から見た印象は、パッと見た感じではあまり先代との差異は見られない気もするのだが、よくみるとサイドモールがなくなって、その代わりにウィンドウ下とドアパネル下部にプレスラインが入っていて、いわゆるエモーショナルな感じに仕上がっているのに気付く。ちょっとBMWのような処理だけれど、このあたりも意外と質感を高く見せる効果につながっているようにも思える。

さて、フロントに比べて逆の印象を持ったのがリアデザインだ。これも当初写真ではトゥアレグ風のテールランプデザインなど、幅広で安定感のある印象をもたらすデザインになっているなあと思ったのだけれど、実物は思った程でもなく、極めて普通な印象。個性は薄まっちゃったかな。
 
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個人的にいやだったのはそのテールランプで、先代は異形のランプ形状の中に丸形のライトがちゃんとふたつ並んだ形になっていて良かったのだけれど、このVIでも同じように中には丸形のライトがふたつ並んでいるんだけれど、その丸形が丸にならずに下端がスパッとカットされているのが気になったのだ。もし赤い部分と白い部分で上下2段に分けたデザインにしたいならそれはそれでいいと思うけれど、なにもその赤い部分に丸形に収まらないのに丸い形の処理をしなくてもいいんじゃないかなあと思うのだ。中途半端な感じがするんだよね。

それからバンパー下にとってつけたようなリフレクターが付いているのもなんだかイヤだな。リフレクターはテールランプ一体型の方がスッキリしていいと思うのだけど。またもし別に分けるにしてももう少し形を考えて欲しかった。あんなに鋭角な形状のものってエクステリアの他の部分にないからすごく不自然に見えちゃうんだよね。

もうひとつ気になったところがあって、それはナンバープレートのフレーム。だいぶ前に書いた記事で、フォルクスワーゲンやアウディは、日本向けには主力車種のリアのナンバープレートを納める部分を日本サイズ専用のパーツにしていてさすがだねと書いたのだけれど、今回のゴルフVIでは残念なことに欧州サイズのままだった。だから日本のナンバープレートは下端が飛び出してしまっていたのだ。そのことを案内してくれたセールスに話したところ「私は気になりませんけどね」とのたまった。あのね、少なくとも本音ではそう思ってもさあ、「なるほど」って同意するのが商売人じゃないの? そのことがコストダウンの話と結びつけられるのがイヤだったのかな。それにしても商売人じゃないよねえ。どうもここのDUOとはやっぱり少し相性が良くないのかなあ。

長くなったが、翌日の試乗車はHighlineだった。色はリフレックスシルバー。うーん、カタログで見る限りアマリリスレッドメタリックがなかなか良さそうだったので、実車を見てみたかったのだけど、シルバーはなんかこうもうひとつ面白味に欠けるかな。

Comfortlineとの外観の違いはリアの「TSI」のエンブレムがComfortlineでは「I」だけが赤く、Highlineでは「SI」が赤いことと、アルミホイールが違うことくらいだ。そのアルミ。ComfortlineのはジェッタのComfortlineと同じもののようだけれど、こっちの方がかっこいいかな。Highlineのアルミのデザインはあまり好みではないな。

好みでないといえばステアリングのデザインもComfortlineとHighlineでは違っていて、Highlineの方はパサートCCと同じもので、先代などでもよく使われていた中心部分が逆三角形に丸みを持たせたような形状で、その中心のVolkswagenエンブレムの周りが少し丸く盛り上がっている形をしているものだ。実のところ、この先代の形状があまり好きではなくて、平らに押しつぶされたおにぎりみたいな形がなんとなく安っぽく感じていたのだ。で、Comfortlineの方はというと、中心部分が丸くなった形で違和感なく自然で、この方が遙かにかっこいいと思えるものだった。違いはステアリングに付いているオーディオなどのボタンのあるなしくらいで、そのComfortlineの形状ではボタンが付けられないのかと思っていたら、先頃本国で発表になった新しいPoloではその丸い形のステアリングにボタンが付いているし、さらにゴルフの新しいGTIでもボトムがフラットになっていることをのぞけば、やはり中心が丸くなっている形のステアリングなので、もしかすると今後はこちらの方に徐々に変わっていくのかもしれない。

さて、その他の内装だけれど、一見して先代よりも高い質感になっていると感じられるし、ソフトパッドの触り心地なども違うようだ。クロームを多用しすぎの感じも受けるけれど、それほど華美な感じがしないのは、使うポイントが的確だからだろうか。

ここでようやく運転しての感想。あちこちで言われているけど、エンジン音はかなり静かだ。全く聞こえないというわけでもないが、4気筒エンジンの少々うるさ目の音が劇的におさえられていて、非常に快適。ロードノイズの方が結構目立って聞こえる。そして乗り心地はやや堅め。不快ではないけれど、ちょっとそのロードノイズと一緒でややスポーティな味付けをしているような感じでもある。けれどなんとなくGTIならいざしらず、もう少しマイルドでもいいのではないかなと感じたのも確かだ。同じ日に先にA4に乗っていて、方やものすごくソフトで軽やかにいなすサスペンションだったので余計にそう感じたのかも。

1.4TSIエンジンと7速DSGの組み合わせはもうかなりの完成域にまでいっているのではないだろうか。低速域でのシフトのぎくしゃく感は微塵もなく、とてもスムーズ。みるみるうちにシフトアップしていって、幹線道路のスピードで6速まで簡単に上がっていってしまって、タコメーターを見ると2,000回転以上にはほとんど上がらないのだから、そりゃあ高燃費にもなろうというもの。このあたりはA4のときの印象と一緒。違いはエンジンの排気量だけれど、この大きさの車では十分かなと思わせるものだった。でも街乗り主体だったら、足回りももう少しマイルドだというComfortlineでも十分なのかも。できたら今度はComfortlineにも乗ってみたいな。

さて、カタログを見ていて気になったのは、今回の車の売り方。ゴルフのシートはファブリックでも良くできたシートで疲れにくいし、標準物もので困ることはないと思っているけど、それでもレザーシートを欲しいと思う人も多いだろう。今回のカタログを見る限りは、ボディ色がどの色にもかかわらず、レザーシートは3色から選ぶことができるようになっていて、そのことはとてもいいことだと思うのだ。
 
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しかし一方で、カーナビも機能的にそれほど凝ったものを必要としない人たちには、メーカーオプションのものがデザイン的にもインパネに綺麗に収まってくれるので、だからこそこれがいいのだという人もいるだろう。そしてそういう人程、インテリアを自分が心地よいと思える空間にしたくてレザーシートが欲しかったりするのではないだろうか。ところが現時点でレザーシートと標準のカーナビシステムのRNS510を同時装着できないというのだから全くもって意味不明である。

日本向けに何らかの制約があるのかどうかわからないけれど、イヤーモデルが進むにつれて変わっていくのだろうか。

ということで、いろいろ書いたけれど、車として悪くはないし今ゴルフが欲しいなら購入しても損はないと思う。だけれどもまだ気になる点がなくもないし、5月にはシロッコも発表になるし、年内には新型のPoloも日本に上陸するという。特にコンパクトハッチバックが欲しいなら、このPoloは、ゴルフVIを見る限り、かなりの魅力的な車に仕上がっているのではないかと想像できる。大きさも手頃だし、そこまで待ってもいいのかなあと思う。

ビッグマイナーチェンジといわれるゴルフVIだが、果たして日本での売れゆきはどうなるのかな。



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