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気になるCM:積水ハウス [TV / Entertainment]

積水ハウスの企業CMにはここのところ朝の連続テレビ小説のヒロインにも抜擢され活躍めざましい多部未華子と日本人として初めてアメリカNASAのスペースシャトルに搭乗した毛利衛が家や環境などについて語る…という形で作られていて、好感が持てる・持てないは別として、連作の企業CMとしては共通のイメージを印象づけられ、ある種正攻法のわかりやすいCMであると思う。

その作品群に、最近放送されているのが「父の思い」篇と題されたCMである。

大学のキャフェテリアと思われる場所で仲間と談笑している多部未華子。新築の家を建てるに当たって父親がやけにいろいろこだわっていたという話をちょっと困っちゃった(もちろん友だちの手前、ということなんだけど)、という表情で話している。するとそこに毛利衛がその父親の思いを代弁して「ステキなお父さんだと思うよ」と突然割ってはいって去っていくというものだ。

最後に父親を褒められた多部未華子が「ありがとうございました」というし、メッセージとしては悪くないと思うんだけど、このあとが良くない。なぜか周りの友人はその突然の訪問者に「誰?」「歌舞伎の人?」と言い放つのだ。

これは制作者側は何をねらったのであろうか。最後にオチとして、まじめに話して背筋がぴんと張った毛利さんを「歌舞伎の人?」という言葉で例えて、クスッと笑わせようとしたのだろうか。

笑えない。というか相手は毛利衛である。確かに若い世代はもう宇宙飛行士としての認識はないかもしれないけれど、であればなおさら「歌舞伎の人の毛利衛」のように間違って認識されてしまうようなCMにすべきではなかったのではないか。まあ、本人がそのシナリオで出演しているのだから外野がどうこう言う話ではないのかもしれないけれどね。

それとこの例えは歌舞伎の役者さんたちにも失礼ではないか。歌舞伎というと大仰な台詞回しと派手な見栄で演技をするもの、普段は着物を着て背筋を伸ばしてあまり現代風な感じでない人たち、というステレオタイプなイメージがあるからかもしれないが、そういうことを後押ししたりして笑いにするのはどうなのだろうか。

まじめなメッセージを打ち出すCMを作ってきた企業が少しくだけたことをやろうとして失敗したCMと言えるのではないだろうか。
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コメント 4

u4

MKさんは広告業界に関連した方なのでしょうか。
鋭い視点ですね。
私もあのオチは???状態でした。
by u4 (2009-06-14 15:51) 

MK

やっぱり気になりますよね。私は一応広告会社に勤めています。Web広告のクリエイティブをやってます。バナーとかが中心ですね。ページ作りやサイト構築もしますよ。
by MK (2009-06-14 18:13) 

u4

うーん、そうなんですか!
大和ハウスのCMは面白さと分かりやすさがあって好きですが、MKさん的にはいかがですか?
by u4 (2009-06-14 22:37) 

MK

大和ハウスは竜宮城やお菓子の家に「大和ハウス」と書いてあるのを「なんで大和ハウスなんだ…」という一連の連作CMは面白いですね。こんなものまで大和ハウスなんだ、というユーモアがあっていいと思うのです。でも役所広司の「大和ハウチュ」はよくわかりません。特に意味のあるCMではないのでしょうが、おもしろさも感じないのでせっかくの役所さんがもったいない気がしますね。
by MK (2009-06-14 23:27) 

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